治療について FIPは、早期診断、早期治療が大切です! 治療について FIPは、早期診断、早期治療が大切です! FIPの可能性を慎重に評価します FIPの診断はとても難しく、一つの検査で確定できる方法はありません。そこで当院では、①既往歴、現在の症状②飼育環境や猫の生活背景③血液検査、画像診断、腹水検査④アルブミン/グロブリン比(A:G比)⑤PCR検査といった複数の情報を丁寧に重ね合わせたうえで、FIPの可能性を慎重に評価しています。FIPを発症した猫では、SAA(血清アミロイドA蛋白)値の上昇やA:G比の低下など、独特な検査結果が表れることが多いですが、すべてが当てはまるとは限りません。年齢や発症状況なども含めて総合的に判断し、疑わしい段階でも早期に治療を始めることと、命を決して諦めないことが、最も大切だと私たちは考えています。そのため、何日も食べていない、ぐったりしているなど、緊急性が高く、FIPが強く疑われる場合には、診断を兼ねて治療を始めることがあります。詳しい検査結果が出る前でも、FIPの典型的な症状が見られる場合には、試験的にCFNを数日間投与し、慎重に経過観察を行います。FIPを発症していた場合、多くのケースで投薬から3日~1週間程度で、食欲や体調の改善が見られることが多く、この反応はFIPである可能性を強く示唆する重要な判断材料となります。 発見~治療の流れ 元気がない、食欲がない↓動物病院を受診↓診断を行う(聞き取り、視診、触診、血液検査、エコー検査等)↓FIP発症の疑いが高いと判断↓CFNによる治療開始↓84日間の投薬、定期検診(経過観察)※重症時や緊急時は注射使用↓治癒判定↓経過観察(半年間) 当院での治療のポイント ①初期の対応が極めて重要です(早く治療を始めれば始める程、治療効果が高く、予後も良好になります) ②CFNを用いて治療を行います ③CFNは、84日間連続で投薬を行う必要があります(内服または注射) ④定期的な診察、体重測定、血液検査等により、状態に応じて投薬量や補助薬(ステロイド、サプリメントなど)の調整を行います ⑤投薬期間終了後も半年間は、再発がないかなど、注意深く経過を観察します 治療費の目安 治療費は、猫の体重や症状により大きく変動しますが、内服薬で治療した場合の目安は次の通りです: 体重月額治療費84日間合計 2kg約12万6千円〜約37万〜45万円 4kg約25万2千円〜約74万〜90万円 6kg以上約37万8千円〜約111万〜135万円 ※飼い主さまの負担を軽減するため、当院で治療を行う場合は、診察料(初診料、再診料)、血液検査料(PCR検査など、外注検査の費用は除く)は無料となります。※当院で治療を終了した後、万が一6か月以内にFIPが再発したと認められる場合は、再発補償の対象となり、無償で治療を行います。